先日、NPOアサーティブジャパンの総会に招かれ講演をした。
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| アサーティブジャパン(東京都国立市)の総会で、講演する大塚。 |
テーマは「女性と起業とエンパワメント」。なんともビッグな3大テーマを1時間半でまとめるのはやはり大変。それでも30人ほどの参加者のみなさん、聞き上手というのでしょうか、最後のかなりたくさんの質問も含めて大変ていねいに、辛抱強く聞いてくださったようだ。
アサーティブネス——「自分も相手も大切にした、誠実、率直で、対等なコミュニケーション」のトレーニングをすでに学生のころから20年近く提唱しているのがこの団体の代表である森田汐生さん。当初からの知り合い、というわたしですが、その辺のいきさつなどは次回の「対話」編で詳しくご紹介しましょう。
アサーティブに生きようとする人たちを応援する市民団体、アサーティブジャパンがNPO法人になって今回が6回目の総会にあたります。アサーティブネスの研修も兼ねて教職や福祉職、起業の管理職などの仕事に就く参加者は九州、大阪、横浜、北海道など各地から。この考え方と実践がさまざまな職業に、全国に、広がっていることを思わせるものだった。
さて、わたしの話はこの3つのキーワードと自分の30数年の仕事、生活などを駆け足で振り返りながらいまと、これからも含めて、個人の生き方と社会のテーマがコインの両側のように重なって、いつも自分の問題・課題が社会の問題・課題と重なっていたことを軸にした。
特に、経済的エンパワメント、経済的自立ということに関しては、わたし自身、不平等をなくす社会の動きや時代の流れの中で、仕事としてまたライフスタイルとしても、その道を選択してきた。それを可能にしたのは、こころざしを同じくする多くの女性が身近にいたこと、さらに1975年以降、国連世界女性会議を機に世界の女性たちが地球規模で不平等の解消や貧困による格差の是正を訴え、国や地域でさまざまな行動があったからだ。身近なことと遠い世界のことがつながっていくという実感と手応えがあった。
起業についてはフィリピンに在任中にプロジェクトを通して支援した経験から、なんらかの職業訓練を受けた女性たちが、小規模に、それも軒先起業といっていいような身近さでスタートしたり、ちょっとした思いつき、アイデアがやっていくうち徐々に、さまになっていく、あるいは手元のわずかな資金や借金をもとにできるところから始めていくなど、女性たちの思い切りのよさや一方でそれだけ経済的に差し迫っている状況もあわせて紹介。ここ1年ほど取材している地元の鎌倉を中心に女性の起業家、さらに社会的起業を模索している人たちの話も加えた。
わたし自身の起業経験というのは、ほとんど組織内で働くことが多く、フリーランサーとして仕事をしていた期間も明確に起業としの形態を作ったわけではなかったため、自らの経験を多くは語れない。今回、1年ほど前から始まった通称“いなかプロジェクト”では、この間の試行錯誤の結果、6月から合名会社として立ち上げることになったので、わたしの正式な起業となる。有機農産物などの生産、加工、販売を通じて地域の有機農業支援と連携を広め、さらに野菜box1箱(2000円)につき100円をフィリピンのスラム街の子供たちの教育支援に充てることとした。有機野菜などを食べれば食べるほど、子どもたちの就学機会が増えるという仕組みと合わせて、社会的起業のビジネスモデルをこれから模索していくこととなる。
というわけで、1時間半の持ち時間はあっという間。いろいろいただいた質問のなかには、フィリピンの男性はどうしているのか、妻の起業への反応や協力度など。また職業訓練と並行して男女の平等やセクシャルハラスメントについての教育が女性たちの職業意識や社会参画を勇気付ける具体例など。起業支援のポイントやアドバイスのしかた、さらに、組織内の中間管理職としての悩みや葛藤などの克服法などなど。
自分より若い世代の人たちにわたしのささやかな体験や情報が、少しでも参考になるならば嬉しいことである。 |