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起業訪問記6

「癒しの力を引き出す仕事」



MAR(マール)の加田洋子さんはアロマセラピー、リフレクソロジー、
妊産婦さんのためのタッチセラピーなどの施術をトリートメントルーム(鎌倉市由比ヶ浜)だけでなく、
出張サービスでも行っている。車で簡易ベッドを運び、藤沢、葉山などへも。
小さい子がいたり、介護で家を空けられない女性に喜ばれている。

 

「営業活動のためにチラシを配ったり、広告をだしたからといって、すぐ人が来るという仕事でもないので、一度来たお客さんがまたいらっしゃる、その人が他の人を紹介してくださる、といった口コミでじわじわと広がっていくことを期待することでしょうか。」——トリートメントルーム・マールを開いて8年目、加田洋子さんに尋ねた“マーケティング戦略法”がこれだった。

「お客さんの数は1日、3人くらいまでとしているんです。それがいまのところ自分で納得できる仕事の範囲でもあり、自分自身の癒し力を維持するためでもあるかな。」料金設定にも、かなり気を遣った。駅からも離れているし、(鎌倉駅西口13分ですが)、街なかのエステサロン的な店でもない。かといって、施術の質、技術に対するプライドからいって、安いものではない。結局、中間よりやや上を選んだ。

講習会の講師、鎌倉FMラジオへの出演、執筆といった仕事もあり、さらに定期的な自己研修なども加わり、仕事全体としてはかなりいろいろとこなしている様子。だが、友人にはもっとビジネスとして展開してみたら、といわれるそうだ。利用する側としては丁寧な仕事をしてくれるのは嬉しい。でも、それで成り立つのかしらと、やはり気になるところだが。

この分野、開業にあたってはもちろん、相応の資格などが必要となるが、加田さんの場合はさらに勉強熱心が加わって、あわせて14の講座修了、資格取得をはたした。たとえば、日本タッチケア指導者講習会やリフレクソロジスト・アドバンスコース、ロンドン・アロマセラピー・スクール日本校の修了、ARTQ認定妊産婦ケアマスター資格などなど。

この世界、奥が深くて特にアロマセラピーでは日常生活から始まって、健康管理、美容、医療など学ぶことが多くなる。さらに精油の化学などでは数式や化学式ともにらめっこ。学ぶことは嫌いじゃない。活字人間だが芝居や映画、音楽にもこだわるようだ。

これからもっと力を入れていきたいのが、妊産婦さんと赤ちゃんのケア。ママだけでなく、イベントでおこなったパパ対象のベビーマッサージも好評だった。「赤ちゃんは触られると、こんなに喜ぶんだって、パパもよくわかったみたい。」——パワー・オブ・タッチ。

地域の関係者との連携をつくり、みんなが子育てに関われるような仕組みができたらいい、と話す。そんなつながりをアロマ・セラピストという立場から広げていきたい。いまのところ、採算はとんとん、だそうだ。大家さんの好意で家賃も格安、さらに心強い後方支援は高校生の娘と夫。

こういう仕事とそれをする人の姿勢こそ社会的起業ではないかと思っている。儲けるではなく儲かる仕事になってほしい。社会的起業としてぜひ進化してほしいと、ついこちらも力が入った。

マールのHP→ www.paw.hi-ho.ne.jp/seven-miles/