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起業訪問記 3

「3年間は基礎固め」

 

荏柄天神のバス通り沿いにあるお店は界隈に住む人が立ち寄ったり、
観光で来た人が、“鎌倉土産”に買っていくこともある。
(鎌倉市二階堂)

 

これからはバラの季節。 店頭ではちょうど、“オールドロマンス”というバラを1本買っていったお客さんがいた。 少し抑えめのピンクの色合いにぴったりの名前をもつ花に思わず見とれてしまう。買う人、 売る人ともに、ちょっと会話が弾む、いっとき。

バラといえば、昨年、八ヶ岳に出向いて生産者を訪ねて手に入れた枝垂れのバラがあった。 植栽用だが、1万5000円で店頭においたら、すぐに完売。この辺のお客さんの好みを知る いい勉強になった、と話すのは「ラトリエール デ フルール デフィ」という長い名前の花 屋さんの店主でフラワーデコレーターの神山理恵子さん(38)

昨年5月の開店だから、もうすぐ1年。だんだん起業家らしくなってきたのでは、と尋ねてみると、「わたしの場合、起業なんていうしっかりした意識もなく、なんとなくお店を始めたという“ゆるい状況”」などとおしゃっていたが、どうしてどうして。なかなかのビジネスマインドあり、とみました。それに花歴もそれなりに長い。転職をして1994年には、当時、横浜にあった南フランスに本部を置く花の専門学校に3年通い、フラワーデコレーターとしてデビュー。その後、都心の有名花店の専属デザイナーとして、ホテルやパーティー会場などの華やかな演出を数多く手がけてきた経歴がある。特に、南仏海岸特有の鮮やかな色彩や豪華リゾート地の優雅な時間をイメージするようなアレンジが、都会の需要にうまく重なって、かなり手応えのある仕事ができたと神山さん。

しかし、出産・子育てを機に、あまりためらわずに都会をあとに鎌倉へ移転した。時間の 許す中で好きな花の仕事ができれば、と住まいの近くにこじんまりした格好の店舗用物件 を見つけて、ご本人流にいえば“ゆるい”スタートをしたわけだ。

とはいっても、そう簡単にお店が開けるわけではないはずだし… そこで有力な助言者でありビジネスパートナーとなったのが、事業家で自ら会社をもつ夫であった。お店をもって花の仕事を続けるための“厳しい”ビジネス指導があったらしい。まず、夫からビジネスプランを求められ、その書き直しを何度もしながら、月300万円の売上目標になるようなプランをどうにか作成。やっとのことでオーケーが出たという経緯があった。そして、夫の会社の花部門ということでスタートし、将来、その売上目標額と独立採算を目指して、起業にいたっている。

現在、プレゼント用などの注文花に応じているほかに店頭での販売、出張生け込みなどが 中心だが、近々、お店でフラワーアレンジメントのお教室も開く予定だ。それぞれを3年 を目途に軌道に乗せていけば、やりたいこととビジネスがうまく回転していくのではない か、と計画している。

また、将来の自分への投資として、日本の生け花のお稽古に通う予定だ。和と洋を1本の 花、一束の花にどう演出していくかにも挑戦していきたいそうだ。自分にある条件や資源 を有効活用できるのはビジネスマインドとして大切なこと。いろいろな花を咲かせてほしい。

「ラトリエール デ フルール デフィ」のHP↓
http://defi.heteml.jp/defi/

 

*「鎌倉路地フェスタ」では、店内をバラで飾り、ワークショップなども開催。

*「鎌倉路地フェスタ」は4月27~29日、鎌倉市小町から二階堂にある店舗や個人宅を会場に住民やNGOなどが中心になって開催。鎌倉近郊のアーティスト、外国系住民なども参加して町並み保存や住民間の交流などすすめる。