もうひとつ、チャリティコンサート。こちらは庄野真代さん。「国境なき楽団」の活動としてマニラコンサートは2回目。あの「飛んでイスタンブール」も、もちろん歌った。28年前のヒット曲だそうだ。共演したゴスペル歌手のHAL(はる)さんも豊かな声量でジャズなどを楽しく聞かせた。ノリのいいフィリピンの人にはぴったりだった。
さらに、こちらの英字新聞INQUIRER紙によると、あのナカタが、ゴミ山のあるパヤタスのB地区を訪ねて、子どもにサッカーボールをプレゼントしたと、1面記事で紹介していた。サッカー選手時代には見ることがなかった新しい発見の旅の、アジアでは最初に、しかもフィリピンではもっとも貧しい象徴でもあるゴミ山へ。訪問は国連機関であるUNDP地域事務所などの企画でもあったようだ。(わたしもNGOを通じてパヤタス地区の2人の子どもに奨学金の提供を続けているが、なかなか抜本的な対策がたてられていないのが現状だ。)
最後に、国際交流基金マニラ事務所主催の演劇、「ヤジ&キタ」。原作はしりあがりことぶきさんの「真夜中の弥次さん喜多さん」で、手塚治虫漫画賞受賞作品だ。これは見事な演技とシナリオで、何度も観客をだまし、爆笑させ、大喝采。生と死、現実と虚構、現在と過去、の二項相反するものの間を大急ぎで行ったり、来たりして観客を混乱させながら、やがてすべてが、ヤジとキタの2人さえも一体となるような“おち”がつくのだ。
日本人の活躍を目にする機会の多かった10月だった。 |