そういえば、ちょっと余談ですが、マニラの観光ガイドには必ず登場するレストランのひとつにウェイトレス、ウェイターやコックそして店の警備に当たる制服姿のガードマンまで歌って踊ることで有名なお店があります。メニューやお盆、鍋やお玉はては警棒まで手にしてマイク代わりに・・・。それはそれで楽しめるのですが、ちょっと、ちょっと、肝心のオーダーや調理はどうなってるの、それにセキュリティーは大丈夫? と気になるのですが、まあまあ、そこは・・・。歌と踊り、いずれもかなりの水準で、食事とともに十分楽しめるので。
コンラッドさんの場合、多分、得意なのは仕立屋だった父の姿を見ていたせいでしょうか、縫製関係のことのようです。これはあとで紹介します。
勤務は夜間勤務が中心で、途中の休憩などを挟みながらも、 1 回 12 〜 15 時間の長時間勤務でシフトしていきます。休日は特にないため、自宅まで 3 時間余の通勤時間を考えると、ほとんど自宅に戻る時間はないそうです。妻と 7 歳になる娘に会うのは数ヶ月に1回あるかどうかで、マニラへの出稼ぎということになるのでしょう。
収入は月に、超勤分を含めて 1 万 3000 ペソほど。 (1 ペソ約 2 円 )
この収入にはまだ満足していませんが、やはり仕事があるということがすべての不満に打ち勝ちます。
まだ小学生の娘ですが、将来、どんな仕事に就いてほしいか。
弁護士がいい、社会的地位もあるし、収入もいいから。
次世代に託す希望は大きいものがあります。
コンラッドさんの場合は、長年、洋服作りをしていて、いまは亡くなった父の仕事を継いでこの先、転職をするとしたら、縫製の仕事が自分にあっていると思っています。しかし、いまのような安定した収入の途をたやすく変えるわけにはいきません。
コンラッドさんが所属する警備会社は、登録ガードマン数、約 5000 人。マニラ首都圏を中心に大規模な警備要請にも応じています。プロの警備で格安、というのが会社の宣伝文句のようです。たとえば、企業や住宅向けにガードマンを 1 人雇った場合、 1 日 8 時間、休日無しで月額、約 1 万 5000 ペソで応じるとのこと。
フィリピン国家警察によれば、マニラ首都圏のガードマン数は、 13 万 6000 人。 (2004 年度 )
警察のテロ対策のためには大量のガードマンが動員されているようです。
また、近年外資系の進出も進み、イギリスや米国の大手が公共機関・国際機関・企業などへのガードマン派遣や警備機器の設置のほかリスクマネジメントなどの業務を請け負っています。
この業界、フィリピンでは 90 年代後半から 2000 年にかけて、その成長が著しいようで、「フィリピンにおける治安・警備市場 (2004) 」として米国のマーケティング・リサーチ会社も昨年、そのリポートをまとめています。ガードマンの派遣先は、デパート、映画館、病院、イベント会場や地域のおまつり、結婚式、個人のパーティーなどと多岐にわたり、人の集まるところに必ずガードマンあり、といった様相です。さらに警備会社は、身元調査などの内偵、警備機器の販売、警察犬のブリーダー・トレーナー、女性や子供向けの護身術教室など周辺ビジネスにも大きく進出しています。新たな雇用の場になっていることも確かです。
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さて、わたしの場合、フィリピン生活が 3 年目に入りました。民間企業や団体などでは、 3 年 4 年という任期の方もいますし、駐在後もこちらで仕事を始められた夫とともにもう 20 年、 30 年になるという方の話しを聞くと、住めば都ではないのですが、それ以上にフィリピンの魅力、というのがあるのだと思います。それにははるかおよびませんが、このたび任期が 1 年延長になり、気持ち新たに仕事上は、国際協力の現場において技術協力プロジェクトの具体的な成果が達成できるようにプロジェクトのマネジメントを強化しているところです。
生活面では、マニラ暮らしもだんだん慣れてきまして、買い物に行ってもすぐタガログ語で話しかけられるようになるほど、見かけはすっかり地元風になっています。が、いまだ慣れないひとつがこのセキュリティ・チェックなのです。安全確保に協力することにはまったく惜しみはしませんが、時として不統一であって、荷物などのチェックが厳しくなったり、そうでもなかったり。ガードマンが手薄になっていて、素通りできてしまったり、などなど心配になる状況も時々、出現しています。抑止効果はもちろんあるのでしょうが。
職業としての安全確保とコミュニティとしての住人主体の安全の問題は、今後、ますます大きな課題となってくることを日々、実感しているところです。
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