one-apple リポート1
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フィリピン、草の根の女性たちの場合である。 海外労働の経験者は50人の中では8人。開業資金を貯えるには海外労働という方法もあるが、必ずしもうまくいっていない。貯えのほとんどが生活費に消え、また仕事を求めて海外へ、と繰り返されるケースも多いのだ。 では、どんな起業をしているのだろうか。業種をみてみると、大きく分けて食品関係の3割に対し、非食品は7割に達した。開業のしやすさ、元手などを考えると食品の方が多いのでは…という予想とは反対だった。 非食品ではアクセサリー、洋服、置物など小物グッズが多い。しかし、この手の製品はすでに大小メーカー、中国製なども含めて、製品が巷にあふれかえっているのに。だが、マーケットはクリスマス、イースターなどの贈り物シーズン期にあちこちで開催されるバザーやフェア。どんなものでも、と言っては失礼かもしれないが、巨大な需要に吸い込まれていく。実際、このシーズンを狙って開業して成功、少なくとも1年目を乗り越えたという話はよく聞いた。 食品でも同様の“シーズン景気”はある。さらに、興味深いのは、自宅で家族用に作る総菜やおやつ、といってもかなりシンプルなものだが、それを少し多めにして、近所に分けているうちに口コミで広がって、ビジネスとなったという例もあとをたたないことだ。草の根である。いろいろな物を吸収できる大小、零細なマーケットが身近にあるということだから、起業もあまり難しいことをいわず、まずはゲットである。その点はすごい、たくましいと思う。
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開業資金は100P〜15万P(1P・ヘ゜ソ≒2.5円)、つまりいくらでもあるし、ゼロからの出発もある。すでにあるものを売って小銭を稼いでいきながらのスタート。マイクロクレッジト・プログラムなどをうまく活用して段階的に成長していった起業はやはり強い。10万Pを超える場合では、店舗兼自宅の購入などを早々と行い、ファミリー型ビジネスとして歩み始めている。業種にもよるが、よくいわれるように、やはり起業は小さく始めて大きく育てる。開業に5000〜7000P、約1ヶ月分の給料くらいの額が工面できたら、スタート・アップしてもいいかかもしれない。 全員が、公的、民間を問わず何らかの支援を受けたのが起業のきっかけになっているか、または自分で始めたビジネスのさらなる向上につながっていることもわかる。支援のなかみでは技能訓練が最多。そもそもこのリストがそのような技能訓練・起業支援の強化を図ったプロジェクトの成果物を基にしているので、当然であるとしても、やはり訓練である。 技能訓練に加えて、海外帰国者支援団体や地方振興支援などのマイクロクレジット・サービスなどを受け、起業に成功した例をみると、きちんとした具体の支援策あるいは開発援助が女性の起業を促進するのに、功を奏するのは確かだ。あとはこのような起業の継続支援の仕組みがほしい。 さらに、見落としてはならないのは、“非技能”訓練の大切さである。たとえば男女平等、リーダーシップなどのワークショップを並行して受けることによって、自信がついた、ビジネスへの考え方が広くなった、積極的な考え方・態度になった、夫と一緒に仕事も家事もやるようになった等など、女性たちをかなりエンパワー(潜在的力の発揮を促す)しているのである。もちろん男性たちもである。 だが、自分のためよりも家族のために、身を粉にして働く女性たちが多いのも確かだ。それが強い動機、大きな原動力になっている。家族や親戚縁者の助け合いが薄れた社会では想像しがたい部分もあり、けなげである反面、家庭内福祉にもたれて制度、政策の対応が後手になっていないかと心配になる。政治を怠慢にさせてはいけない。
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起業への動機や原動力は、地域にも向けられている点を最後に紹介しておきたい。コミュニティ型ビジネス、社会的起業とみられるものが9件あったのである。
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